バリエーション商品の仕入れはランキンググラフだけ見て仕入れると失敗します。
その理由を知っていますか?
もし知らないなら、この記事は読む価値があります。
結論からお伝えすると、バリエーション商品のランキンググラフは信用できません。
ランキンググラフ以外の指標をしっかりと確認することで精度を高めた仕入れができます。
ということでこの記事ではバリエーション商品のリサーチで失敗しないためのコツや考え方をプロが本気で解説します。
バリエーション商品のリサーチで失敗したことがある人、自信がない人は最後までチェックして学んでいってください。
ちなみにこの記事の方法ではKeepaというツールを活用しています。Keepaって何?という人は以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
そもそもAmazonのバリエーション商品とは
まずは簡単にバリエーション商品の概要を紹介します。
- バリエーション商品とは
- なぜバリエーション商品はリサーチが面倒なのか
- 面倒だからこそチャンスがある
それぞれ解説します。
バリエーション商品とは
バリエーション商品とは、1つの商品ページの中に複数の商品があるものを指します。
主なバリエーションは以下です。
- サイズ
- カラー
- 個数(セット商品)
- 類似商品
わかりやすい例を出すと靴です。
このように1つの商品ページ内に複数のカラーやサイズが登録されています。お客様からすると複数の選択肢を1ページ内でチェックできるのでありがたいシステムですね。
しかしセラーからするとリサーチがしにくいのがバリエーション商品です。
では、なぜバリエーション商品はリサーチしにくいのか?それについて詳しく解説します。
なぜバリエーション商品はリサーチが面倒なのか
リサーチをするとき、ほとんどのセラーはKeepaなどのランキンググラフを参考に仕入れ判断をしていると思います。
イメージはこちら。
バリエーションじゃない商品はこのランキンググラフの動きを参考にすれば、ある程度の売れ行きが判断できます。
しかしバリエーション商品の場合はそうはいきません。
なぜなら、バリエーション商品はランキンググラフが統一されている場合があるからです。
え?どうゆうこと?
と思う人も多いと思うので、わかりやすく解説します。
例えば、1つの商品ページにSサイズ、Mサイズ、Lサイズの3つが登録されている商品があるとします。
今月、Sサイズが10個、Mサイズが0個、Lサイズが1個だけ売れていたとしましょう。
この場合、ランキンググラフが統一されてしまっている商品ページの場合は、どのサイズのグラフを見ても11個売れているように見えてしまいます。
つまり全く売れていないMサイズや少ししか売れていないLサイズも、グラフだけ見ると売れているように見えてしまうということ。
例えばこの商品を見てみましょう。
このバリエーション商品のランキンググラフをいくつか抜粋します。
いかがでしょう。ランキンググラフが全て同じ動きをしているのがわかると思います。
このようにランキンググラフだけを指標にリサーチおよび仕入れをすると、売れると思って仕入れても実は全く売れていない可能性があるということがわかると思います。
バリエーション商品を見つけたら必ず他バリエーションのランキンググラフもチェック
上で解説したようにバリエーション商品ではランキンググラフが信用できないということがわかったと思います。
ただしバリエーション商品でも、全く違うランキンググラフの動きをしている商品も多くあります。
そういった商品はグラフを信じて仕入れても大丈夫。
バリエーション商品をリサーチするときは、必ず別のバリエーション商品のグラフも一緒に確認しましょう。
面倒だからこそチャンスがある
なんか面倒だな…。
バリエーション商品のリサーチってちょっと面倒ですよね?
普通ならランキンググラフを見てある程度判断できるリサーチが、バリエーション商品だとそうはいきません。
他バリエーションのランキンググラフも見なければいけませんし、ランキンググラフだけでは仕入れ判断ができないからです。
だからこそ、そこにチャンスがあります。
ビジネスは人が面倒と感じるところにチャンスがあります。バリエーション商品の仕入れ判断は面倒ですが、できないわけではありません。
ここを面倒がらずに楽しんで攻められるかどうかが、稼げない人と稼げる人の差になります。
バリエーション商品の仕入れ判断をランキンググラフ以外でする4つの方法
まずは結論から。
- 【最重要】KeepaのDataからFBAセラーの動向を確認
- ライバルセラーの在庫数
- レビュー数を確認
- 他バリエーションとの価格差
それぞれ解説します。
ちなみにこの方法ではKeepaを活用します。まだKeepaを使っていない人は以下の記事もあわせてどうぞ。
【最重要】KeepaのDataからFBAセラーの動向を確認
私がリサーチする中で最も精度が高く、かつ効率がいいと判断する方法がKeepaのDataの情報です。
Keepaの拡張機能を見てみましょう。
そのタブの中に「Data」という項目があるのでクリックします。
そうすると該当商品の情報を一覧で見ることができます。その中に「offers」と「Buy Box Statistics」という項目があります。
この2つを使ってリサーチをします。Offersを開くと現在出品されているセラーが一覧で表示されます。
ここで「FBA Only」にチェックを入れると、FBAセラーだけのリストが完成します。人数を数えましょう。
次にBuy Box Statisticsを開きます。Buy Box Statisticsはカートボックスを獲得している割合と該当セラーが表示されます。
ちなみに初期値では過去30日のデータが表示されてます。
このセラー数の差を参考にします。
例えば、Offersに3名のFBAセラーが出品されていたとします。つまり現在のFBA出品者は3名。
次にBuy Box Statisticsを見ると5名のFBAセラーがカートを取っていた履歴があったとします。
初期値のままデータを見るなら、過去30日に最低でも5名のFBAセラーが出品していてカートを分け合っていたと考えられますよね。
このことから現在は3名しか残っていないので、2名のFBAセラーの商品が売れて現在は不在と考えられます。
つまり直近で、最低でも2個は売れたと判断できます。
この考え方を使えば、バリエーション商品でも1つ1つのバリエーションで在庫やセラーの動向がチェックできます。
この方法についてさらに知りたい場合はこちらの記事も参考のどうぞ。
ただしこの方法にはいくつか注意点があります。
- FBAセラーが減るのは在庫がなくなった時だけ
- 長期在庫保管手数料を避けるため撤退している可能性がある
- カートが取得できない価格設定をしているFBAセラーには注意する
- FBM(自己発送セラー)にはこの方法は通じない
それぞれ簡単に解説します。
FBAセラーが減るのは在庫がなくなった時だけ
Offersからセラーが消えるときは在庫が0になった時だけです。
つまりたくさんの在庫を持っている場合は、たとえ売れていたとしてもOffersから消えないのでこの方法は使えません。
ちなみに精度はそれほど高くありませんが、Offersの中にStock Historyという項目があります。ここを見れば、在庫数の変動がチェックできます。
ただし、あまり精度が高いとは思えないのであくまでも参考程度に。
長期在庫保管手数料を避けるため撤退している可能性がある
この記事で紹介している方法は、基本的にFBAセラーが在庫を撤退しないことを前提にしたリサーチ方法です。
例えば、商品が売れていないのに出品していたセラーが何かしらの理由で商品の出品を取りやめた時。
当然ですが、セラーが1人減りますよね。それを売れたと勘違いする可能性があります。
これを避けるためにはセラーがいなくなったタイミングと、ランキンググラフの動きをチェックすると避けられる可能性が高いです。
例えば、セラーが1人いなくなったタイミングでランキンググラフが大きく動いているなら、それは売れている可能性が高いです。
しかしセラーが1人いなくなったタイミングでランキンググラフが動いていないなら、撤退した可能性もあると考えた方がいいかもしれません。
その場合は、他の指標も参考にしながら仕入れ判断をしてみましょう。
カートが取得できない価格設定をしているFBAセラーには注意する
上でも解説しましたがOffersは出品者一覧、Buy Box Statisticsはカートボックス取得者一覧です。
例えばカートボックス獲得が5,000円前後に対して、10,000円で出品しているセラーがいればそれはカート獲得の可能性が極めて低いですよね。
カートボックスについてはこちらの記事もどうぞ。
つまり人数だけチェックをしているとリサーチミスにつながります。チェックするときはOffersもBuy Box Statisticsもある程度のセラー名や出品価格をチェックした方が精度の高い判断ができます。
FBM(自己発送セラー)にはこの方法は通じない
FBM(自己発送セラー)はいつでも簡単に在庫数の変更ができます。
売れていなくても、急に撤退することもありますし、少量だけ在庫を減らすこともあります。
FBAセラーと同じような指標で判断するとミスにつながりかねません。この方法を使うときはFBM(自己発送セラー)は無視しましょう。
ライバルセラーの在庫数
ライバルセラーが何個在庫を持っているかを指標にします。
例えば、ライバルセラーたちが在庫を1つずつしか持っていない場合。これは商品の回転の判断がつかず様子を見ている段階だと予測がつきます。
しかし複数のセラーが多くの在庫を抱えている場合は、ある程度売れると確証がある可能性が高いです。
つまり複数のライバルセラーが在庫を2個とか3個とか、それ以上に抱えている場合はそのバリエーションが売れる可能性は高いと判断できますよね。
ライバルセラーの在庫を確認する方法
ちなみにライバルセラーの在庫数を簡単に確認するには以下の拡張機能がオススメ。
Keepaをインストールしておけば在庫数を表示してくれます。無料拡張機能であるクイックショップでも簡単に在庫数が把握できます。
レビュー
バリエーション商品の売れ行きの見分け方としてレビューも参考にできます。
レビューは大体100個売れたら1つ付くといわれています。つまり商品が売れていないとレビューはほぼつきません。
例えば、こんな感じ。
このように、どのバリエーションが売れて、レビューがついているか確認すればある程度の予測ができますよね。
Keepaを使ってもレビュー数を確認することができます。
- Variationsをクリック
- Ratingsを2回クリックしてレビューが多い順に並べ替える
これでどのバリエーション商品が売れているかが判断できます。目当てのバリエーションが売れていなくても、他の売れているバリエーションがわかります。
もともと見ていなかったバリエーション商品もリサーチすると仕入れができるかもしれません。
他バリエーションとの価格差
これはあくまでも私の考え方です。例えばある商品のバリエーションでブラックとグリーンがあったとしましょう。
価格はこちら。
バリエーション | 価格 |
---|---|
ブラック | 3,000円 |
グリーン | 6,800円 |
グリーンのkeepaのランキンググラフを見ると、他のバリエーション商品同様にかなり売れているように見えます。
この場合本当に売れている可能性は高いでしょうか?
お客様目線で考えるとヒントがあると思います。
もしあなたがお客様だった場合。色が違うだけでブラックの倍以上するグリーンを購入するでしょうか。
おそらくこの価格差なら「購入をしない」という人が多いと思います。
このようにお客様目線に立って商品を見るとイメージが変わると思います。
ランキンググラフがいくら動いていても「現実的には売れる可能性が低いかな?」と判断がつくはずです。
利益だけに集中しすぎず、常に客観視を忘れずに。
【まとめ】バリエーション商品のランキンググラフに騙されるな!
ということで今回はバリエーション商品の仕入れ判断方法を解説しました。
正直、バリエーション商品のリサーチは面倒です。しかし面倒なところにこそ有益な商品があったりします。
ツールを使って簡単に抜き出せるような商品だけで稼げるならみんなお金持ちですからね。
他のライバルと差別化するためにはこういった面倒なリサーチが重要です。
あなたもこの記事を読んで実践すればバリエーション商品の仕入れ判断ができるはずなので、まずは見よう見まねでやってみましょう。
ちなみにリサーチを最強レベルで効率化したいなら、私が開発したスプレッドシートをどうぞ。今のリサーチ方法の10倍〜100倍は早くなるはず。